2024.10.22

【取材記事】「もったいない」が減る視覚化
ー日光コラムvol.27ー

企業価値視覚化サービス シカクレタッチでの社員ワークショップの際に、グラフィックレコーダーとして参加いただいている関 美穂子さんにお話しを伺いしました。
改めて関さんの経歴や視覚化に対する想いなどをお聞きしました。


日光プロセスが提供するグループワーク

企業価値視覚化サービス『シカクレタッチ』では企業価値や経営者の考えを視覚化していく上で、社員様にご参加いただく社員ワークショップを行います。そのワークショップの記録としてグラフィックレコーディングを用いています。

グラフィックレコーディングとは

グラフィックレコーディングとは、会議やプレゼンの内容を絵や図形などのグラフィックを用いてまとめる手法のことです。

今回の取材にご対応いただいたグラフィックレコーダー

アラワス
関 美穂子(Mihoko Seki)さん

1990年鹿児島生まれ。鹿児島大学文化人類学専攻を卒業後、旅行会社の企画手配、地域おこし協力隊を経て2017年に独立。
現在は一対一の思考の整理サービス「可視カフェ」や、会議やワークショップでのビジュアルファシリテーションに取り組んでいる。発話内容を視覚化しながらコミュニケーションすることで、お互いの眼差しが交差して立ち現れてくる知恵を捉えることを探求中。
https://arawasu.net/

【グラフィックレコーダーになるまで】

日光プロセス:どのような背景からグラフィックレコーダーを始めようと思われたのですか?

関さん:きっかけとしては大きく2つあります。

1つはこれまでの経歴からです。
中高一貫校に通っていた際に異文化理解の授業を受けたり、親の転勤の関係で別の地域で生活したときの食の違いに驚き、文化に興味を持ちました。
大学も文化について学び、卒論は観光人類学について作成しました。
地元は観光が盛んな地域で、「文化や資源が磨けばより光り、観光客が来ることで地域も栄え、観光ってなんていいんだ!」と思い、地域を観光で元気にする仕事がしたいと考えるようになりました。

そこから地域おこし協力隊になりました。
鹿児島県薩摩川内市・下甑(しもこしき)島で地元住民を主体としたツアーや体験プログラムなどの着地型観光商品の企画を担当しました。

地域おこし協力隊 島での活動の様子

地域おこし協力隊の活動中、地域の会議などで話を整理しながら描きだしたり、ファシリテーションをしていました。
こどもや孫たちの代まで島を持続させるために島で働いているおじちゃんおばちゃんたちの仕事をプレゼンテーションする機会がありました。虫の目と鳥の目で描きおこして内容を確認してもらったところ「こうやって書いてもらうと私たちいい仕事してるんだね!」という声がありました。視覚化することで島の方々が、自分たちのやっていることを俯瞰できるんだなと感じました。
そういった経緯から観光も分野として好きですが、相手にフィードバックして頑張っている人たちの支援をすることを軸としたいと思い、独立しました。

2つ目としては、1対1でお話しをききながら目の前で視覚化していくサービスからの広がりです。
ある友人と話しているときに、頭の中で想い描いていた友人の夢を描きだして見える化したところ、その友人が「私の頭のなか、これ!」と言ってくれました。
「頭の中を視覚化して表現することでモチベーションにもつながり、夢の実現につながった。関さんに頭の中を描きだしてもらったことで整理することができた!描いてほしい人いっぱいいると思う。」といってもらったことで、1対1で誰かのために視覚化するお仕事をしていきたいと思ったことがきっかけです。

続けていく中で「グラフィックレコーディング(グラレコ)ってあるらしいけどできる?」と声をかけられ、グラフィックレコーダーをはじめました。

【「もったいない」が減る視覚化】

関さん:私は「もったいない」が昔から口癖です。頭の中にあるものは「なんだったっけ?」と忘れてしまう可能性があったり、会議終わりに「いい会議だった!」となってもすぐに思い出せなかったり、いいイベントだった!うまく言えないけど…となってしまうと「もったいない」と感じます。

グラフィックがあることでその場の成果も感じられ、後から振り返りやすくなります。グラフィックをみることで「そうそう!これこれ!」と思い出してもらったときにいい仕事ができたなと感じます。
リアルタイムで描いていくことでそういった「もったいない」が減ると思い、気が付けばはじめて早8年が経ちました。


日光プロセス:さまざまな経験を通じて、今に繋がっているのですね。
描いてあることで思い出すきっかけになりますよね。
描くにはコツが必要だと思いますが、スキルはどのように身につけられたのですか?

関さん:特に駆け出しのときは独学で勉強していました。
活動をしていく中でチームで描くこともあり、先輩の技術を学んで身に着けたり、現場で学ばせてもらう機会が多くありました。ただ、これまでは実践の割合が大きかったのですが、最近になって論理的な考え方の重要性も感じるようになりました。理論と実践のどちらも取り入れていきたいと思っています。なぜそれが大事かといったロジックの部分を改めて様々な学びの場で学んでいる最中です。

日光プロセス:関さんは知識も豊富と感じているので、理論の部分を現在も学んでいるときいて驚きました。
リアルタイムで描いていくときやグループワークの際に意識していることはありますか?

関さん:参加者のみなさんがどのようなことを考えているのかを見ています。
沈黙していても考えている場合の沈黙なのか、助けを必要としている沈黙なのか、みなさんが目的達成のために進められているかどうかを見ています。

日光プロセス:お客様をみて、今何を考えられているか、今どのような気持ちなのか、きちんと見ることが大切ということですね。

関さん:グループワークで、よくわからないけど声をかけられたので参加しましたって方もいらっしゃると思います。もしかしたら話しをしてほしいテーマから脱線してしまう場合もあります。でも、どんな方でも参加してくれたことで生まれる作用があると思いますので、目的をこちらからきちんと提示してファシリテーション、設計することが大事だなと感じています。


日光プロセス:私もグループワークに参加をして、目的をお伝えするのは大事だなと感じます。

関さん:その場で目的を完璧に理解して進めていくのも難しい場合がありますが、参加した方が「私、参加していいの?」とか「ほかの人がよかったんじゃないか…」と思ってしまわないように、目配りをして参加を歓迎する、肯定することは大切かもしれません。

日光プロセス:そうですよね。参加された方がちょっとでも前向きに参加してくれることで出てくる意見もあると思います。

【『シカクレタッチ』について】

日光プロセス:関さんには弊社のサービス『シカクレタッチ』のグループワークに参加いただいていますが、『シカクレタッチ』に共感することはありますか?

関さん:それこそ「もったいない」ですよね。
良い理念があるのに上手く浸透させることのできていない企業のお手伝いをすることができるサービスなので共感できます。

日光プロセス:私も『シカクレタッチ』に関わっていて、理念や社長の想いがあるのに浸透していない中小企業が多いと感じています。ぜひ視覚化と浸透のお手伝いさせていただきたいです。
ちなみに『シカクレタッチ』のいいところはどこだと思いますか?

関さん:ワークショップで終わりではなく、アウトプットのクリエイティブにつながるところはいいところだと思います。その中でも、シカクレタッチならではといわれると高品質な印刷物を作ることができるところだと感じています。

日光プロセス:ありがとうございます。
経営者や社員様の意向をインタビューやワークショップを通じてキャッチして細部までこだわったクリエイティブを非言語的なニュアンスまで表現できるところがつよみだと思います。

最後に今後の『シカクレタッチ』に期待することはありますか?

関さん:個人としては出会いの機会をいただいていると思います。日光プロセスを通していろいろな企業の力になれる機会を増やせればと思います。サービスとしては、すでに理念・ビジョンはあるけれどしっくりこないといった企業も多くあると思っています。理念の浸透というきっかけで社員のみなさまが声を出す機会になればいいですね。

日光プロセス:『シカクレタッチ』がきっかけになればいいなと私たちも思います。
ありがとうございました!


企業価値視覚化サービス シカクレタッチとは?
シカクレタッチとは、企業価値を視覚化し、社内外への浸透・発信する様々なツールを制作するサービスです。
経営者のインタビューや社員を交えたワークショップを通じて企業価値やありたい姿をしっかりと引き出し、「伝えたい」を「伝わる」形にアップデートする「企業価値のレタッチ」をご提案します。


ご興味ある方はぜひこちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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