2025.05.09

25歳、突然社長になった日
ー日光コラムvol.57ー

原田社長

こんにちは日光コラムです。今回も日光コラムを読んでいただきありがとうございます。
本記事、弊社代表原田についての記事なります。
事業承継のリアルを、じっくり聞いて記事にまとめました。

これから承継に向き合う方、
すでに継いで日々奮闘されている経営者の方へ。
共感とヒントのある内容です。



「社長の仕事について、書いてみませんか?」

ある日、そんな話を持ちかけられました。
正直なところ、何を書けばいいのか戸惑いました。

そんな私に、担当はこう続けました。

「急に社長になったとき、どんなことを考えていたのか。
どうやって、”社長”という仕事に向き合っていったのか。
そんなリアルな話を知りたい人は、きっと多いはずです。」

たしかに。
理論ではなく、現場で迷いながら積み上げてきたことこそ、承継直後の経営者には役立つかもしれない。そう思い直し、私自身の経験を振り返りながら、書き留めてみることにしました。

一般的に「社長の仕事」と聞けば、
ヒト・モノ・カネの配分を考える。
人材を適材適所に配置する。
設備投資を行い、資金を回して増やしていく。
そして、最終的な判断と決断を下し、組織の方向を定める──。

こうした役割をイメージされる方が多いでしょう。

もちろん、私もそのくらいの理解はしていました。
社長就任前も、そして急遽就任した直後も。

ただ現実は、そんな「理解」だけでは動かないことばかりです。

理念経営、人的資本経営、デザイン経営、健康経営──
数値管理、DX推進、マーケティング強化……。

経営に関するキーワードは巷に溢れています。
しかし、承継直後の私にとって最大の疑問は、ただひとつでした。

「で、自分は何から始めればいいのか。」

私が社長に就任したのは、25歳のとき。
父が急逝し、まだ社会人2年目だった私に、突然バトンが渡されました。

創業者である祖父は存命でしたが、
「一度譲ったからには、おまえがやれ」と背中を押されました。

当時の私は、営業の現場をようやく走り始めた段階。
社長として知っておかなければならない知識も、業界の構造も、経営数字の意味すら理解できていませんでした。

幸いにも、100名を超える社員さんがいらっしゃったため、私が動かずとも現場は回っていく状態でした。私が何かをしなくても会社の日々は回っていきました。
経理や会計も、何をしているのか、当時の私はほとんど把握できていませんでした。
最終的な判断は、祖父が担ってくれていたのです。

そんな状況の中、私は祖父に尋ねました。

「社長って、何をすればいいですか?」

祖父は、こう答えてくれました。

「がむしゃらに仕事を取りに行ってこい。」



それからの私は、毎日ひたすら営業に走り回りました。
25歳から29歳まで。
祖父が亡くなるまでの5年間、ただひたすらに。

そして、そんな私にも、大きな転機が訪れることになります。

(つづく)

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